ゴミとダイオキシン

アメリカ、カナダの業界視察の結果、ベビーおむつに関しては、コストと環境問題を除けば、紙おむつの方が手軽に扱えて便利であるところから優位となっている。一方、大人用おむつは、紙もたくさん要する分、布おむつレンタルよりもコストアップとなるし、使用後のゴミの量も多く、臭いので、その置き場所および処理方法が問題となり、コスト的にも安い布おむつレンタルの方が優位になって行く傾向がうかがえた。


最近日本では、ダイオキシン問題がよくニュースとして取り上げられている。 ダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)をまとめてダイオキシン類と呼び、PCDDは75種類、PCDFは135種類もの仲間がある。 ダイオキシンは炭素、酸素、水素、塩素が熱せられるような工程で、意図せずにできてしまうもので、主な発生源は、ゴミの焼却による燃焼工程や金属精練の燃焼工程や紙などの塩素漂泊工程などで発生する。その毒性は人工毒物最強でサリンの2倍、青酸カリの1000倍といわれている。 ダイオキシンに関して欧米では、早くから、大気汚染防止法などの規制があるが、わが国では平成9年12月から、大気汚染防止法や廃棄物処理法によって、焼却施設の煙突などから出るダイオキシンの対策をやっと開始した。


現在のところ、病院などで使用している1時間当たり200kg未満の焼却能力しかない 小型焼却炉にはダイオキシンの排出規制もなく病院内で発生する医療廃棄物は、塩化ビニル系の製品であれ何であれ焼却することに法的制約はない。 しかし、厚生省は昨年12月に全国に通知を出し、国立病院での自家焼却を中止させている。 この動きは他の一般病院へも波及していくであろう。 現在は看護婦不足でおむつ取り替えの手間が省けるため紙おむつの利用が増えつつあるが、これに歯止めがかかるだろう。紙おむつから布おむつレンタルに切り換えの検討をする病院が増えてくるであろう。よって大人用布おむつレンタルは、今後成長分野のビジネスとなる。


われわれが早急に開発しなくてはいけないものは、コストが安くギャザーをつけるなどして横漏れのない品質の良い、日本人の体型にあったカバ-付き布おむつである。 カバ-付き布おむつはおむつカバーの上に布おむつを畳んで取り替えるという手間が省ける。それに吸水量を増やし、かつ表面がサラッとしたカバー付き布おむつが開発できれば、夜間も付けっ放しでよいので、看護婦さんも大いに助かると思われる。 またカナダのコムフィコットンダイアパーサービス社で使用していたベッドカバーシーツは、ニットの綿50%ポリエステル50%のフライス地で周りに耐熱ゴムが入っていて、す早くベッドメーキングができるし、装着すると張られてシワが伸びて良い。ロールドライヤーを通さなくてもよいので、洗う側にとっても効率的である。 また小型防水シートもハンドリングが楽で良いと思われる。